花風 咲彩の四季折々

〜季節と共に〜

立つ春に梅づくし言葉綴り

 

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✾✾✾ 

冬の背中を

押し出すように

春一番

吹き荒れる

 

暖かさと冷たさが

渦のように

入り交じる

この季節の

狭間で

 

置いてきぼりの

誰かの想いや

新たにわき出る

誰かの思いが

行く場所を

探るよう

 

眩しくなる

日差しに

少し

目を細めると

 

あの空の中

貴方が笑う

 ~花風 咲彩~ 

 

 

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2月3日~2月17日

 

 

お馴染、二十四節気立春』も一週間が過ぎました。

北海道の上川地区では、ここのところ氷点下30度台を観測しているという信じられないニュースを見ながら、早春の恵みを感じている宮崎地方であります。

 

 

hinoatarusakamiti.hatenablog.com

 

 

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梅は百花の魁(さきがけ)

あらゆる花の先頭を切り、春を告げるように咲くとされる梅の花此方でも次々と咲きだし、見頃を迎えています。

 

 

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時折、吹き付ける風はまだまだ冷たいのですが、陽射しはもうすっかり春そのものです。今回は、そんな春の風景を切り取った言葉綴りを幾つか集めてみました。

 

 

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梅の花

今やか咲くらむ

我庵の

紫の戸あたりの

鶯の鳴く

     ~若山牧水

 

郷土の歌人として有名な若山牧水が、現在の宮崎県日向市東郷町坪谷での生活の中、十六歳にして初めて詠んだとされる作品です。

現代でも、のどかで自然美あふれる場所には、当時の住まいが残され、すぐ傍の「牧水公園」と共に観光と憩いの場所になっています。四月にはツツジが咲き、鶯の声が響きます。

  

 

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梅が香に 

昔を問えば

春の月

答えぬ影ぞ

袖にうつれぬ

      ~源 通具~

※源 通具=堀川大納言 

 

作者の、何とも言えぬ切なさが伝わってくる好きな和歌です。

 

 

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梅が香に

のっと日の出る

山路かな

  ~松尾 芭蕉

 

大仏の

境内梅に

遠会釈

      ~高浜 虚子~

 

暖かさとユーモラスさも感じる俳句です。

 

 

 

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梅白し

暖かき日も

寒き日も

   ~原 石鼎~

 

 

シンプルな俳句ですが、上品・高潔などの花言葉を持つ梅の清々しさを感じる、今回の「しだれ梅」の写真にもピッタリな俳句だと思いませんか?

 

 

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愛でるにも美しい梅ですが 、美味しい梅干しや梅酒としても心と体を整え、食あたりや水あたりを防ぐことから「梅の難逃れ」という諺や「梅雨」という生活に根付いた言葉も生まれ、良い「塩梅」で私達に寄り添ってくれています。

 

一日の寒暖差も激しく、花粉も舞い始める頃、コロナの影響も気になるところ。滋味豊かな梅を食べて乗り切りましょう。本日もご訪問ありがとうございました💝

 

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